クリアスイは「日本次亜塩素酸水普及協会」の会員企業です。TVでご活躍の中原英臣医学博士との対談記事をアップします。

2020/3/3

日本次亜塩素酸水普及協会

「対談/食品業界における次亜塩素酸水の有効利用とその効果」

(食肉通信社発行の食肉通信に掲載された、次亜塩素酸水の特集記事)

食肉業界では、食中毒事故を契機に食の安全・安心を最優先にした取り組みを強化している。食品企業にとって、最も神経を使う時期を迎えているだけに消毒剤の果たす役割は重要だ。そこで現在、使用している消毒液がどこまで有効なのか、そしてコスト的に見合っているのかどうか、などを検証した。

ing_asso_01新渡戸文化短期大学を訪ね感染症学と公衆衛生で著名な中原英臣学長に、細菌に適した消毒液の使用について聞くとともに、日本次亜塩素酸水普及協会の竹下光彦理事長を招いて、次亜塩素酸水の利点とその活動について、お話しをうかがった。
ここでいう次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸ナトリウムに塩酸等を希釈混合し、pHを5・0~6・5に調整したもので、pH調整によりアルコールで殺菌不可能な強い芽胞菌にも効果があることで最近注目されている。

 

次亜塩素酸水の効果と有効利用

ing_asso_02竹下理事長 当協会は次亜塩素酸水を消費者に広く啓蒙し、普及を図ることを目的として設立しました。次亜塩素酸水の最大の特徴は、数ある消毒液の中においても安価で、用途に合わせて希釈して使用できることです。とくにノロウイルスなどの感染型には効果を発揮します。更に他の殺菌消毒剤では不可能な空間噴霧、空間殺菌が可能で効果を倍増します。

次亜塩素酸水は400ppmの製造・安定化を可能にしたことで、輸送コストが削減でき供給体制も整いました。これで普及に拍車がかかることを期待しています。食品工場はもとより老人ホームなどでの感染症予防に用いるなど、従来、対策に手をこまねいていた場所で、次亜塩素酸水を利用した消毒殺菌が有効です。

― 一時的なブームにおわらせないためにも、効果的な次亜塩素酸水の普及方法を教えてください。

中原学長 食中毒の防止という観点からいえば、次亜塩素酸水はノロウイルスに非常に高い効果を発揮します。食品製 造機の消毒など、食の現場で次亜塩素酸水での消毒を取り入れることは効果的であり、価格も安いことからコスト削減にもつながり、これがセールスポイントになると思います。

食中毒の防止は、科学的な根拠に基づいて色々な消毒法を細菌やウィルスによって使い分けることが重要です。それを考えると、これからは次亜塩素酸水の重要性が増していくと思われます。

次亜塩素酸水を使用するには有効期限や用途にあった希釈方法といった科学的な根拠を示すことも重要になります。そしてその効果を説明することが普及につながるでしょう。また実際に使用してもらうためモニターする場所をつくり効果を説明することも必要だと思います。

竹下理事長 平成19年には、食品安全委員会より食品安全基本法に基づき次亜塩素酸水は、使用後、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないとの認定を受けています。

 

― 食品製造の話しが出ましたが、現在の日本の衛生レベルについてどのように思われますか。

中原学長 日本は世界の中でも衛生水準が高く安全な国です。また国をはじめ自治体での防疫対策も取られており、食の安全については、世界に誇れる国です。

食品製造機器の大型化が進むなか、毎日の清掃作業で大量の消毒液を使用する企業には、次亜塩素酸水を使うことによりコスト削減につながるでしょう。

また加工工程におけるプロセスのミスによる食中毒の発生を未然に防ぐためにも、定期的な衛生面のチェックが必要であり、その際に様々な衛生対策が活用されています。ノロウイルスに効果を発揮し、用途に合わせ希釈して使用できる次亜塩素酸水はニーズに合った消毒液のひとつです。

竹下理事長 次亜塩素酸水は扱い方が難しい、と思われていることが普及を遅らせている原因のひとつになっています。この点は、協会としてもきめ細かな説明を行っていきます。一般のユーザーはもとより、中規模の食品工場であれば、供給した次亜塩素酸水を用途に合わせて希釈して使用する量で十分にまかなえます。協会が認定した次亜塩素酸水の使用を促し、生産工程での食中毒の発生を防いでいく役割は大きいはずです。
また東日本大震災で被災者の避難生活が長期化している中、現地の病院や医療チームに次亜塩素酸水を積極的に配布して、感染病予防に使用することを促しています。また被災地では、気温の上昇で臭いの問題も出ており、次亜塩素酸水が持つ消臭効果にも期待されています。

ing_asso_03中原学長 日本では、多くの外国文化を取り入れ発展してきました。それは食文化も例外ではありません。問題になるのは外国の食文化を日本流に変えてしまうことです。例えば生肉をそのまま食べるという韓国の食文化です。生肉を加熱せずに食べることは、表面に付着する細菌を口にする可能性があり、あまりにもリスクが高いといえます。そのためには、加熱が重要ですが、その点について注意していただきたいことがあります。

日本より前に生肉文化のある韓国では、生肉専用の取り箸を使用する習慣が常識となっています。日本では、取り箸を使う習慣が定着しているとは言えないでしょう。そのことが食肉を食べて食中毒が発生する原因のひとつでもあります。このようにグローバル化が進む反面、新しい細菌により食中毒が発生することは文明病と言えるでしょう。

竹下理事長 文明がもたらした新種の病気が発生する中で、当協会としては次亜塩素酸水の活用を促していきます。

中原学長 食中毒の予防には手洗いとうがいは大変重要であり、日常の生活習慣に定着させていくのが基本です。加えて最近の食中毒の状況を見ていると、細菌から自分を守るための消毒法を再認識するべきだと思います。

特に、食中毒の原因で一番多いのはノロウィルスであり、それに最も効果的なものとして次亜塩素酸水が上げられます。そうしたことからも、まだ一般的でない次亜塩素酸水の効果と使用法を正しく認識してもらい、広めることは重要です。食品業界でも利用されることを期待します。

竹下理事長 業界団体にとって心強い話しを聞かせていただきました。次亜塩素酸水が社会的認知を受け入れてもらうために、業界団体が一丸となって努力していきます。次亜塩素酸水はphを5.5~6.5という弱酸性領域で生成するので手が荒れる心配もなく除菌・消臭効果に優れております。

一方、次亜塩素酸ナトリウムはph13以上と強アルカリのため漂白効果はありますが低濃度での除菌効果は殆ど期待できません。次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は全く別の機能をもつものですので、消費者に対して両者の違いを正しく伝えていきたいと思っております。

また、15年ほど前から15~20ppm程度の低濃度の電解方式の次亜塩素酸水はありましたが、ここ数年の技術革新により、新たな特殊製法で塩素と次亜塩素酸ナトリウムを希釈混合方式で生成した、高濃度の次亜塩素酸水を安定して生産流通できるようになりました。 しかしこの濃度の高い次亜塩素酸水が開発されてから2年程度と歴史が短いので広く知られておりません。

今後は次亜塩素酸水の長所と短所を明確にして、長所ばかりを強調するのではなく、短所についても説明して普及に努めていきます。

 

中原英臣プロフィール【新渡戸文化短期大学学長】1945年東京生まれ。1970年東京慈恵医大卒。医学博士。1977年から2年間、セントルイ スのワシントン大学でバイオ研究に取り組む。遺伝子研究が専門。山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学美容保健学科教授を経て、2008年4月から現職に就任。日本清潔清掃協会(近藤陽一理事長)理事も兼任。

 

竹下光彦プロフィール

【日本次亜塩素酸水普及協会理事長】1944年東京生まれ。早稲田大学卒業後、研究社出版(株)に入社。同社編集長を経て、1975年にエデュカ(株)を設立、現在に至る。社業に携わるかたわら、1982年に日本パソコンソフト協会(現・社団法人コンピュータソフトウェア協会)の常任理事、1984年に日本編集プロダクション協会(現・一般社団法人日本編集制作会社協会)の副理事長として、それぞれの創立に関わった。2011年4月から現職に就任。